ヤマハ 電動アシストスポーツ自転車「YPJ-R」を新発売

ヤマハから凄くおもしろい新製品が発表されました!

電動アシスト自転車の新スポーツブランド「YPJ」第一弾 ロードバイク「YPJ-R」を新発売

952535日本ではママチャリばかりに付いている電動アシスト機能。それをスポーツ用途であるロードバイクに装着した製品。

ヤマハの発表によりますと、

「YPJ-R」は、スポーツライドを快適に楽しむことができる高い走行性能と、ヤマハオリジナルデザインを備えたロードバイクに、プレジャーニーズの高い欧州市場で好評を得ている小型のドライブユニット「PWシリーズ」を搭載した新感覚のロードバイクです。

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こういう意欲的な製品大好きです!自転車マニアから言わせると色々文句が出るんでしょうが、そんなものはまずはどうでもいいことです。日本にこのような製品が出てきたことそのものが賞賛に値するからです。今まで「選べなかった」ものが「選べる」のですからね(買えないような代物では意味がないことは、開発する側は百も承知なはずです)

日本では、電動アシストはすっかりママチャリ用のアイテムになってしまっています。ママチャリなので、自転車そのものが重く、ある程度の航続距離に耐えられるように、バッテリーがボテッとしている。ママチャリだと「楽」をするためのアシストなので、あのような大きさになるのはよくわかるのですが・・・スポーツとは無縁になってしまいました。

ヤマハが「電動アシストスポーツ自転車」を開発するにあたり、重点開発課題として置いたのが、

①バッテリーの最適化
②電動アシストの適合
③専用フレームの開発とコンポーネントの設定

だったそうです。

YPJ-R スペシャルサイト

開発大変そうだけど、おもしろそうだなぁ・・・アシストの適合やってみたいなぁ・・・

このような自転車が普及すれば、USBあたりのケーブルを接続して、ユーザーが任意にアシスト量を設定できるようになるはずです。僕が開発者ならそうします(採算が合えばですけど)

設定できるファクターを、

・車速 → アシストする車速範囲の設定
・バッテリー残量 → アシスト可能なバッテリー残量の設定
・ペダリングパワー → アシストのON/OFFをペダリングパワーで操作するための設定(ある一定のペダリングパワーでON、以下ならOFFという意味です)
※OFF側は、設定したペダリングパワーがXXXXms継続したらOFFにするようなロジックで、ON側は設定車速のMAXに到達するまで継続するロジックにすればいい。ロジック自体は難しくないので、設定も難しくない。

にして、所定のツール(スマホのアプリでもいいかも)から、データを書き込むようにすればいい。計測もしたくなるので、設定できるファクターと、マルチファンクションディスプレイに表示されるデータはロギングでき、スマホで表示できるようになるといいですね。

って、完全マニアな世界ですね(笑)

要は、アシストのON/OFFをペダリング時のパワー(ペダルを踏み込む力)にしてやって、ON/OFFを容易にしてやると同時に、ON/OFF範囲をユーザーが任意に設定できるようにすれば、セッティングの幅が広がっておもしろいかなと思うわけです。設定値のリミットは部品の耐久性とかスペックを考慮して、ユーザーが設定できる範囲を決めておけば保証を外れることはないですし。

ここまで要求が高いと、コストとの勝負になってきますが・・・

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と、本流から外れましたが、このYPJ-Rには是非乗ってみたいです!

主要なスペックを転記しておきます。

【主要諸元】 ※公式な諸元表はコチラ

  YPJ-R
(M)
YPJ-R
(XS)
全長 1,710mm 1,685mm
全幅 450mm 430mm
サドル高 850~1,000mm 790~940mm
タイヤサイズ:前後 700×25C
適応身長の目安 162cm以上 153cm以上
車両重量 15.4kg 15.2kg
補助速度範囲 比例補助 0km/h以上 10km/h未満
逓減補助 10km/h以上 24km/h未満
一充電あたり
の走行距離
(標準パターン)
「HIGH」モード 14km
「STD」モード 22km
「ECO」モード 48km
電動機形式(定格出力) ブラシレスDCモーター(240W)
変速方式 外装22段(前2速×後11速)
デュアルコントロールレバー / SHIMANO 105
バッテリー リチウムイオン電池
電圧 / 容量 / 充電時間 25.2V / 2.4Ah / 約1時間
カラー トリコロール
ブラック×グレー
トリコロール
ブラック×ブルー

特筆すべきは重量ですね。電動アシスト機構がついて15kgとは。カーボンロードとかに比べれば重いですけど、フルサスのMTBより軽い。専用フレームとバッテリーの軽量化の賜物でしょう。アシスト有りなら、本格ロードクラス、アシストが無かった場合、重いですがある程度は走れそうです。

そのアシストですが、「一充電あたりの走行距離」がスポーツ自転車のパターンに沿って測定された値になっていないため、このまま鵜呑みにはできないところが注意点だと思います。

一充電あたりの走行距離は、2010年3月改正の自転車協会電動アシスト自転車安全基準に規定された「標準パターン」をバッテリー満充電からアシスト停止まで走行したときの走行距離の当社測定値。「標準パターン」の測定条件は以下の通り。
バッテリー新品、常温15~25℃、車載重量(乗員および荷物を合計した重量) 65kg、平滑乾燥路面、無風、無点灯状態で、平坦路(1km)、勾配4度の上り坂(1km)、平坦路(1km)、勾配4度の下り坂(1km)を含む全長 4kmの標準走行路を設定し、平坦路「変速機・前2、後11」15km/h、上り坂「前1、後9」10km/h、下り坂「前2、後11」20km/hで走行し、1kmごとに一旦停止。

下線部のパターンは、スポーツ自転車における実際の走行パターンとは差があるのがおわかりいただけるかと。上り下り平坦路でこの巡航速度じゃ遅い。YPJ-Rは、「10km/h~24km/h」までを逓減(ていげん)補助としており、巡航速度によってはアシストがかなり小さい状態での走行が継続される可能性があります。それにより、一充電あたりの走行距離はもう少し伸びるのではないかと想定されます。マルチファンクションディスプレイの表示はバッテリーを使っていると思われるので、バッテリーを食う要因ではありますが、ライトやスマホへの給電はモバイルのバッテリーを携帯すれば、最低限の消費で済むはずです。あとは人間を含めた重量ですね。重くなれば当然バッテリーを食う。ただ、前述した通り、巡航速度が速ければ重量は苦にならないでしょう。952542

コンポーネントはシマノの105(クランクを除く)。

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タイヤはMAXXISのDETONATORに見えます。でもDETONATORって25c無いような・・・まぁ軽量化余地有りってことで(笑)うーん、ホイールはよくわかりません。

かなり記事が長くなったので、そろそろ締めますが、今年の東京モーターショーにヤマハから出品されそうな気がします。2013年にYPJ-1というコンセプトモデルが出品されていましたしね。そこでじっくり見てみるとしますか!