青色LEDとその評価

<青色LED和解>中村教授「日本の司法制度は腐ってる」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050112-00000113-mai-soci

ついに和解になった。
遅延金含めて8億という結果だ。
青色LEDがどう発光するかとか、どう作ったかとかは割愛するが、これは
報道されている通りのノーベル賞級の発明だと思う。
青色LEDは昔からあった。
中村氏はそれを実用段階まで性能を引き上げることに成功した。
例えば、国際競技場(?)の巨大ディスプレイは赤、緑、青の各LEDを使用している。
フルカラーディスプレイとして家庭に登場する可能性もある。
これからは光ディスクの容量UP、蛍光体と組み合わせることによる白色LEDの実現。
白色LEDが実用段階になれば、蛍光灯に変わる照明器具として発展するであろう。
このようにし将来性は非常に高い。
何兆円という規模の市場価値を創出することもありえないわけではない。

それがたったの6億でっせ!
特許取ったときの報奨金は2万でっせ!
日亜はそれで2000億近い売り上げを達成したんでっせ!
ありえねぇぇぇぇぇぇ!!!
青色LEDの価値を考えれば当初の200億だって惜しくないほどだ。
200億だって減額されてるんだし。

確かにこういった発明がされた場合に、
研究者に対する報奨が企業経営に影響を与えてはいけないというのもわかる。
その本人以外にも多くの人が働き、それでお飯食ってるんだから。
大企業なら多くの報奨金を払うことも可能かもしれないが、
ベンチャーや中小だと厳しいだろう。

皆さんはどうお思いだろうか。
多いとか、少ないとかいろいろ意見はあるでしょうが、
当初の600億という金額は途方もない金額ではないのです。
サッカーで例えるなら、青色LEDはボールであると言えましょう。
広大なフィールドで多くの人がそれを奪い合ったり、扱ったりする。
そのボールを作ったということは凄いことなのです。

私はこの減額をやはり「悪しき判例」を作らないためであろうと考えている。
個人の発明評価よりも企業を守るほうに重点を置いたのだ。
基本的に研究というものは長期的だ。
それが成果として現れたときの評価が低いと研究者はどう思うだろう。
人材が流出するとかいう話もあるが、
正当な評価をしてくれるところに行くのは極めて自然な行為だ。
プロ野球でもそうなように。
研究者は報奨が目的ではない、研究に意義、楽しさを感じているから
報奨金はさほど問題ではないと日亜側は言っているが、
こりゃ研究者に対する侮辱だよなぁ。
例えば、プロ野球選手が数々の賞を得て、優勝に多大な貢献をしたのに
楽しかったからいいでしょ?と言われて評価もなければどうだろう。
果たして許されるだろうか?
それとほぼ同義なのだと思う。

理系の人間としては黙っていられんのですよ。

コメントの投稿

  1. かのこ より:

    うこん茶さん実は私のMacの師匠も同じようなことを申しております。理系人間の方々には「許すまじ!!」なのですね(実感のない社会科学系)。

  2. ウコン茶 より:

    >かのこ様世間一般での理系の評価は低いと思います。だいたいメディアに出てくる社長だのなんだのは文系ですからね。マスメディア自体が文系ですしね。経済や金融には統計や制御工学の要素は必須なんですが。ああ、悲しい・・・

  3. 思考亭 より:

    教授は自分の訴訟を自分自身で価値を下げてしまったようですね。あんな記者会見すると、技術者というのは自己中心型で、攻撃的な人だと思われてしまいますね。教授は日本の司法が腐っていると言ってましたね。技術者の正当な評価を司法に適用したければ、自身が立法に携り、、知的財産の制度整備をすればいいけれど、そんなことはする気はなさそですね。日本人は製造ロボット、独創的なことはできないと言っている。でもほとんどの日本の企業の研究開発職の人はそうは思っていないと思いますよ。ノーベル賞受賞者の田中さんはみんなが支えてくれたおかげだ、自分だけではできなかった、だからこれからも会社で研究すると断言している。ほとんどの研究者はこれに近い考えですね。あんなに日本人と日本のシステムをけなし、仕事はアメリカ、バカンスで日本という人は日本人ではそんなにいませんよ。

  4. ウコン茶 より:

    >思考亭様研究者はそういった人が多いでしょうね。私も司法うんぬんより技術者の評価をもっと言及して欲しいとは思いました。ただ、本人は悔しかったんだと思いますよ。素晴らしい価値があるものだということは間違いありませんから。マスコミが司法うんぬんの場面ばかり流しているのもいいとは思えませんね。そればっか流しても思考亭さんのようなイメージしか持たれないでしょうし。悔しいという気持ちを司法にぶつけているのかもしれませんね。

  5. Fgmt より:

    司法の枠内を超えることは無理なのだから、これ以上望むところはなんなんでしょうか?彼は、お金が欲しいのでなくて、後続も育って欲しい・技術への正当な報酬が欲しい、といっていますが、それならば司法に訴えると同時にその限界を立法として働きかけるべきです。別に理系・文系という枠がどうとかは思わないですが・・・。

  6. ウコン茶 より:

    >Fgmt具体的な動きがないということですね。ただ、そこまでできるでしょうか。法的な部分に介入という動きはこういった論議がマスコミ等で活発じゃないと政治家も注目しないでしょうしね。今回の件が問題提起になればいいですが。