東海ゴムに156億円賠償請求=「無償修理は部品が原因」―マツダ
随分とややこしいことになっているみたいですね。
かなりのレアケースです。
そもそもリコールとは、メーカーが国(自動車の場合は国土交通省)に対して、
回収と改善する旨を通知し、ユーザーに対して無料で実施する改善措置のことです。
自動車の場合は、道路運送車両法に基づきます。
あくまでも上記法律に規定の保安基準を守れないときです。
保安基準に抵触しないが、安全上問題ある内容は改善措置になります。
これも国に届け出ますね。
メーカーが自主的に行うものもあります(サービスキャンペーン)。
それは、国に届け出る義務はありません。
量産している車に品質上の問題が発覚することは、往々にしてあります。
それは自動車に限らないとは思いますが、家電製品と違うのは、それが人間の命に直結することでしょう。
その問題が、直ちに対策が必要なのかそうでないかは、上記の道路運送車両法の基準に照らし合わせて判断します。
マイナーチェンジ時に変えるのか、ランニングチェンジせねばならないのか、モデルチェンジ時に実施するのか(つまりそのまま)。
いずれにしろ、そこには費用が発生する以上、慎重な判断が求められます。
各メーカーによって基準が違うでしょうが、経営会議にかけられることがあります。
リコール、改善措置、サービスキャンペーンは確実にそうでしょうね。
その費用というのは内容によりますが、大きなものです。
特に部品交換レベルだと、多大な費用がかかります。
トヨタのプリウスのリコールなんかは、売れているだけに、エライ金額だと推定されます。
ソフト書き換えレベルなら、プログラムの配布と書き換えにかかる工数費用、ディーラーがユーザーに通知するための費用だけで済む分、交換費用に比べればマシですね。
リコールや改善措置などが全てメーカー責任とは限りません。
内容によっては、サプライヤが大きく関わることがあります。
車部品のすべてをメーカーが作っているわけではないからです。
焦点:幕引き遠いエアバッグ問題 タカタに追加リコールの可能性
このタカタ製エアバッグの大規模リコールのように、様々なメーカーが採用している部品があります。
全く同じものとは限りませんが、リコールの要因に至る理由が共通であれば、各メーカーがリコールせねばなりません。
タカタのエアバッグの場合、バッグを瞬間的に膨らませるためのガスを発生させる材料と、
製造工程とその管理に問題があったようです。
これは各メーカーで違いがない領域なので、大規模になったようです。
(昨今、エアバッグは目新しいものでもないので各メーカーの仕様にさほど違いはないと思いますけどね。
違うのは、どこにエアバッグを配置しているかと、Gセンサーの位置くらいかな?)
ここでのポイントは上記の記事です。
リコール費用は、どこのメーカーもそれ向けに蓄えておく対策費用、保険でまかないます。
サプライヤが供給する部品の場合、内容によってサプライヤと費用の負担割合を協議します。
サプライヤが10、メーカーが0というのは、ほとんどないはずです。
と、前置きが長くなりました。
今回、マツダが東海ゴム工業を相手に、リコール費用の損害賠償を求める訴えを起こしたわけですが・・・
「不具合の原因は東海ゴムにはないことは裏付け済み」というのが東海ゴム側の主張みたいです。
そこまでいうなら確固たるものがあるんでしょうね。
マツダも東海ゴムも、今後も取引を継続するというが・・・はて?
今売っている車での取引は継続するでしょうけど、今後はどうなのかな?
東海ゴムって確か独立系(住友)だったかな。
パワステの配管だし、そんなに東海ゴムじゃなきゃいけない!ってものでもない気がしますけどね。
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身近な話なのでついつい見てしまいました。
うちは、サプライヤーを訴える側なのですが
サプライヤー起因の不具合は、早期特定が難しいのでやめてほしいですね。。
メーカー回答を待っている間に色々と他のことやらされるし。。
>つぶだいさん
サプライヤに起因するとしても、OEMに起因するとしても、お客様には関係のない話なわけで。
個人的にはそこにこだわってはいけないと思うね。
変な先入観みたいなものを持つとロクなことない。
早期特定が難しいのはどこでも一緒じゃないかな。
OEMはOEM内で、この不具合はうちじゃないとかてめぇのとこだとか押し付け合い始めるし。
サプライヤはサプライヤでOEMのせいにしたいしね。