更正は可能か?

性犯罪前歴者の居住地、警察が把握できる制度新設へ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050106-00000113-yom-soci

国も早速動き出したようだ。
コメントもいただいたので、この問題についてもう少し考えてみる。

根底は、この人を信じられるかということにある。
はっきり言ってこの矯正プログラムがどのようなものであるかは、私達には
あまり関係がない。
当然、周りから見れば矯正されるようなプログラムであることは間違いないからだ。
さて、それを終えた犯人を信じられますか?
近くに住めますか?
普通に接することができますか?

だってわからないじゃん。
その人が矯正したかどうかなんて私達にはわからない。
外見では普通に装っていても心の中では・・・ということもある。
いくら専門家が矯正したと太鼓判を押したって、
それはあくまで他人が判定している。
結局どんな肩書きが付いてもどう接するかは個人の裁量に任されている。

もしかすると、更正するかもしれない。
自分のしたことを心から反省し、遺族に謝罪し、償う。
ちゃんと働き、犯罪に手を染めることもない。
事件を忘れず、心を痛め続ける。
そんな可能性もないとは言い切れない。
情報を公開すれば更正の道が狭まるのも事実だろう。
住民に疎外されたり、危害を加えられる恐れもある。

犯人は特殊な性癖である。
正直これは直らないんじゃないかと思う。
フェチズム、コンプレックス、幼少期あるいは少年期の環境・・・
社会に適応できない。
性的衝動あるいは行動は極めて本能的であること。
これは、性犯罪の再犯率の高さに関わっている。
そして、生きることに固執していないこと。
好材料が不足しすぎている。

やはりこういった犯罪が再犯率が高いことや、世界的な流れがそうなっている以上、
性犯罪者の情報公開への流れは止まらないと思う。
こういった制裁的な処置が増えることで抑止効果もあるだろうし。
警察も楽になるし。
こう言うとちょっとあれだけど、
「一人の犯罪者の人生」か、「たくさんの住民の安全・子供の将来を守ること」の
どちらを取るか。
警察がどちらを取るかは明らかだろう。

例えば極端な話、その犯罪者を隔離したりして、その地域から
そういった凶悪犯罪が完璧に無くなったならどうなるか。
その行為は正当化されるかもしれない。
隔離してよかったと。
果たして、本当にそうか?
普通に暮らしていたかもしれない。
でも、未来のことはわからない。
結局、魔女狩りもそう。
人間は安心感を得たいんだろうな。
そして、何も起きず暮らせたらその行為を正当化する。
たとえ、それが人の尊厳を無視した行為だとしても。

それから、死んでもいいと思っている人間にはどんな抑止も効果がない。
これに対抗するには監視しかないのかもしれない・・・

思いのほか長くなってしまった。
全文読んでくださった方、ありがとうございます。
コメントしていただければ幸いです。

コメントの投稿

  1. かのこ より:

    今回、国の動きが異様に早いのに、ちょっと危惧感を覚えています。国民のプライバシーに踏み込むのに、いいチャンスだと思っているのではないのかと。自分でも考えてみましたが、基本的にこういう方の更生はかなり難しいかと思います。私は前に自分のBlogに「間違ったpennisの使い方を知らないやつのなんか、切っちまえ」と暴言(?)を吐きましたが、そういう人を去勢した方がいいのかもしれません。関係ない人のプライバシーまで管理されるのはごめんですから。

  2. ウコン茶 より:

    >かのこ様切るとはいささか過激ですが、僕も同意見ですね。なんだか、薬を使うという手もあるようで。それもアリかと。それが根本的な解決になりますし。反対する人間も出てくるでしょうが。そういう意味で、昔の島流しのような処罰は使われ方がいいか悪いかは置いておいて考え方としては間違ってはいなかったと思います。

  3. Fgmt より:

    多分、性癖とかその人の生得的特徴がどうであるか、という事と犯罪を今後犯す傾向があるか(更正しうるのか)というのは、区別できるんだろう、と思いました。危険人物であることと、犯罪者であることには大きな壁があるという意味で。・・・で、全然本文に対するコメントになっていなくてすいません。ただ、犯罪者に対して、厳正に対処するのは国の義務で、当然だと思いました。

  4. 思考亭 より:

    性犯罪者は再犯率が高いことは統計で分かっている。感覚的には地域住民に知らせる様なことをしたり、犯罪者のDNAを調べておくようなことをするべきだと思う。少なくとも刑期を終えて社会復帰してから何年かは情報を握っておくような対処をして欲しい。しかし、世の中、人権を極端に重視する人が多く、プライバシーに踏み込むことに反対するだろう。このような超性善説者が多い国では犯罪者は再犯し放題だ。この国のシステムは、犯罪者に甘く、被害者には辛い処置をするシステムだ。犯罪天国は再犯を呼ぶ。

  5. ウコン茶 より:

    >Fgmt様確かにそうですね。犯罪者をひとくくりにするのではなく臨機応変にシステムを運用できるのが理想だと思います。非常に難しいですが。

  6. ウコン茶 より:

    >思考亭様今回の私の「更正は可能か?」という文では、極力私自身の意見は入れないように書いたつもりです。私の考えはまた書くつもりですが、ほぼ思考亭さんと同じ意見です。厳正な処罰、その人間の人生を砕くぐらいの処罰がこのような凶悪犯罪等には必要だと考えています。まぁ、その人間によって被害者の人生は砕かれたわけですから、当然と言えましょう。