モノづくりの力

今日、テレビ東京で「ガイアの夜明け」という番組の再放送があった。
内容は「日産のエンジニアの新人研修」といった感じのものだった。
私は正直とても羨ましいと思った。
私が車好きだというのもあるが、それ以上に「モノ」を作っていたからだ。
彼等が2ヶ月間の研修の中でしていたことは厳しいものだったようだ。
一枚の図面から風で走る紙の車や、コマを作ったりしていた。
寸法間違いは0,0何mm単位まで。
納期が決まっている。
余計なコストはかけられない。
例えばコマの場合、重心が少しでもずれるとキレイに回らなくなる。
寸法の間違いは品質に直結するのだ。
車という人の命を乗せて走るものだから、
車という道具が人をも殺しかねない凶器だから、品質保障は非常に重要だ。
それをおろそかにすることは、三菱ふそうトラック・バスのように
「信用」という企業の幹を折ることになりかねない。

なぜ日産が高卒の若い人を積極的に採用するのか。
それは若い頃から「職人」として育てていきたいからだそうだ。
昔、日本には溢れていた技の相伝を再現している感じだ。
何ミリ単位の細やかさ、経験でしか身に付けられない勘・・・
一年二年では会得できない高等な技術だ。
高度なオートメーション化が広がっても最終的には人間の手は必要になる。
機械ではどうしても発生してしまう、
微細な歪み、傷などを見極め、修正するのは「職人」なのである。
そういうところを軽視するとそこから品質の低下が徐々に起きてくるのだろう。

もちろん、モノづくりは品質だけではない。
「納期」「コスト」「品質」等を守れなければならない。
というか、それが守れて当たり前、できなきゃおかしいのだ。
口で言うのは簡単だが、実現するのは非常に難しい。
「早く」「一回で」「丁寧に」ということと同じなのだから。
凄く厳しい世界だ。

そんなことを考えながら見ていたが、ふと自分が見ていてワクワクしていると感じた。
厳しそうだとか、大変そうだということより、ワクワク感が先に来ている。
おもしろそう、やってみたい。
研修をしていた人達も大変ながらも楽しそうだった。
ああいう研修で職人としての心構えや、道を学んでいくんだろう。

モノづくりに対してのワクワク感はやはり自分の中にある。
そういった、とても根本にある大事な気持ちを持ったままでいよう。
いくら技術が進んでもモノづくりの根元には
「モノを作ることの楽しさ、おもしろさ」
があるのだから。